トウ爺の願い……清流を取り戻そう!

オコ子師匠の山掃除の手伝いで誰もいない静かな遊歩道を歩いていると、少し開けた場所で清流にぶつかった。
「この辺りには今の時期でもホタルがいるのよ」
得意そうにオコ子が扇子をあおいだとき……
聞き覚えのあるクラシックの曲が辺りに響き渡る……。

ダーダン ダーダン ダーダッダッダッダァン

「これは『ドヴォルザーク交響曲第9 番ホ短調『新世界より』第4 楽章』……、トウ爺のテーマソング……ですわ」

清流に目をやると波紋が次々に広がり、水しぶきが音楽に合わせて舞い踊っている。そしてしぶきの中から大きなホタルがヴァイ
オリンを弾きながら現れた。

「やぁオコ子さん!お久しぶりですね。それと……あなたは……?
これは失礼。初対面の人にはこちらから名乗るのが礼儀でしたね!? ワタクシは清流を司る水の神……トウ爺と申します」

トウ爺の願いは、以前のようにホタルがこの場所以外にも住めるようになることだった。
あともう少しなのだ。どうか力を貸していただきたい。
こうしてノウチの面倒事が、またひとつ、増えてしまった。